・計算問題はできるのに、文章問題はサッパリという状況は、学年が進むと深刻
・文章題が苦手な生徒さんには、3つのポイントを教えることで克服できる
・一つ目は、状況を「ヴィジュアル化」することで、式を立てるイメージを作る
前回記事はこちら
→ 文章題が苦手な小中学生へポイント・コツ
算数・数学の文章題について、家庭教師による教え方のポイントや考え方のコツをお話ししています。
今回は、2つ目のポイント「解き方を先に教える」について解説していきます。
文章題が苦手な小中学生のみなさんや保護者さまは、ぜひ参考になさってみて下さい。
前回は、1つ目のポイント「ヴィジュアル化」について書きました。
分かりにくい文章問題を図や表にビジュアル化することによって、数の関係をつかみやすく、式を立てやすくしましょうという話でしたね。
しかし、家庭教師として文章題が苦手な生徒さんに接していると、「どんな図や表を作ればいいのか自分では思いつかない」という問題が出てきます。
これは文章を読む力、読解力や国語力も関わってくるでしょう。
そこで、2つ目のポイントですが、このタイプの文章題が出てきたら、こういう図を書いて、こういう式を立てるという解き方の流れを先に教えてしまうのです。
解き方のパターンを先に覚えてしまい、問題数をこなして定着させていくという勉強方法です。
しかし、解き方を覚えるというやり方には批判もあるでしょう。
「文章題とは、問題文を読み、答えを出す方法を考える思考型の問題だ 解き方だけを暗記なんて意味がない」
「覚えていない応用のパターンが出てきたら対応できないじゃないか」
確かに一理あります。
全ての生徒さんが、問題文を読み解き、解き方を自分で考え、式を立て、答えを出せるように考えさせる授業は理想的です。
しかし、思考型で文章題を解くことを理解できる生徒さんは、ごくわずかなのが現実です。
それでも、理想を追って思考型の授業に時間を費やし、もっと重要な類題の反復に時間が取れなくなっているから、文章題が苦手な生徒さんは減りません。
算数でも数学でも、一つの単元の文章題の解き方のパターンは3つか4つです。
3つか4つしかない解き方の手順を先に覚えてもらい、問題文からパターンを見分けることができれば、答えを出すことは難しくありません。
ですから、思考型の授業の時間を削って、その分パターンの見分けができるようにたくさんの練習問題をこなしてもらうことを家庭教師指導で実践しています。
たくさんの問題をこなしているうちに、単純に覚えていただけの解き方がどのような意味をもつのか気づく生徒さんも出てきます。
これは、思考型の教え方での成果と同じものです。
もちろん、中学受験の問題や高校入試の中でもハイレベルな問題は、基本パターンの暗記だけでは足りません。
しかし、トップレベルを目指す生徒さんでなければ、上の勉強方法で十分成果を上げることができます!
陰山英男先生(元大阪府教育委員長)も、名著「本当の学力をつける本」の中で、算数の文章題についてこのように述べられています。
文章題はある答えを求めるために作られた問題です。
つまり、いくら考えても、解き方は限定されています。
ですから、思考というより、解き方を学ぶ教材ではないでしょうか。
(中略)
文章題は解くために意図的に作られた問題である以上、その解き方を学ばせることが大切であり、文章題での思考というのは、何問も同じタイプの問題を解くなかで、その解き方の意味を考えることがつまづかせない指導法だと思います。
引用元 陰山英男 本当の学力をつける本
それでは、文章題の解き方のパターンを覚える上でのポイントはどこでしょうか?
次回、最終3つ目のポイント「単位を意識させる」に続きます。(続く)
続きはこちらです
→ 計算はできるんだけど、文章題ができない・・・。