・計算問題が苦手だと、高校入試理科の点数は伸びない
・「分数と小数」「比例式と単位」が重要
・公式を覚えていても、計算が弱いと正解できない
前回の記事はコチラ
→ 理科の計算問題が苦手な中学生の勉強法①
中学理科の計算問題のやさしい解き方のポイントを、新潟県長岡市の家庭教師がまとめております。
前回、まずは計算力を固めようというお話でした。
今回は、比や比例式と、単位を使いこなそうというお話です。
具体的な中学理科の問題は次回になりますが、(本題が遠くてすみません)今回の比例式や単位は、理科だけでなく数学でも役に立つ内容です。
少し長い記事ですが、数学や理科が苦手な中学生は、ノートに計算をしながらゆっくりと読んでみて下さいね!
スーパーマーケットに行くと、色々なお肉が売られていますよね。
例えば、A店では300gで474円のお肉が売られていて、
同じお肉がB店では250gで425円で売られていたとします。
全く同じ品質のお肉の場合、どちらのお店で買うのがお得なのか計算できますか?
または、計り売りされているリボンを思い浮かべて下さい。
1mあたり80円で売られているリボンで、70cmの長さのリボンを9本作るときの代金がいくらか計算できますか?
大人になると仕事や生活の中で、上のような計算を毎日しています。
割合とか比とか、難しく考えなくても自然にできるようになります。
しかし、中学生のみなさんはどうにも難しく考えてしまって、上手くとらえられないようです。
比例式とは、比例する(片方が増えると、もう片方もそれにともなって変わる関係)2数を比の式で表したものです。
お肉が増えれば、それにともなって値段は変わりますし、リボンも長く買えば買うほど代金は変わりますので、それぞれ比例しますね。
比例式を立てると、
肉の量:A店の値段?= 300g : 474円
リボンの長さ : 代金?= 1m : 80円
こんな感じです。
(わかりやすくするために単位を入れておきましょう)
また中学1年で習うことですが、比例式はかけ算の式に直せるんでしたよね?
a : b = c : d ?⇒ ??a×d = b×c
(外側×外側 = 内側×内側)
これを使ってお肉の問題を考えてみましょう。
A店とB店とで、100gあたりの値段を比べ、どちらがお得か判断します。
(もちろん100gじゃなくて、1gでも50gでもOKですよ)
A店での100gあたりの値段をa円とすると、こんな比例式ができます。
300g:474円 = 100g:a円
(300gで474円だから、100gだといくらだろう?って感じです)
これをかけ算の式に直して、
300 × a = 474 × 100
(外側×外側 = 内側×内側)
これを解くと、
a = 474 × 100 / 300 = 158
(ここで、前回の分数と小数の計算の話が効いてきますよ!)
A店のお肉は、100gあたり158円と分かります。
同じように、B店も計算してみて下さい。
B店は、100gあたり170円となります。
したがって、A店で買った方がお得と言えますね。
さて、リボンの問題はどうでしょうか?
1mあたり80円で売られているリボンを買って、70cmの長さのリボンを9本作るといくらになるか、でしたね。
リボンの代金を x 円としましょう。
まず、必要なリボンの長さは、70cm × 9本 = 630cm ですね。
このまま比例式立てると、
1m : 80円 = 630cm : x 円
となりますが、これはNG。
左辺と右辺で単位が違います!
(左がmで、右がcm)
したがって、単位をcm(またはm)に合わせましょう。
1m : 80円 → 100cm : 80円
(1mは100cm)
そして、もう一度比例式を立てましょう。
100cm : 80円 = 630cm : x 円
(これなら左右単位がそろっていますね)
これを解いて、
100 × x = 80 × 630
x = 80 × 630 / 100 = 504
ということで、求めるリボンの代金は504円と分かります。
苦手な人が多い、速さ,道のり,時間ですが、これも比例式を使うと考えやすいです。
この季節ですと、マラソンや駅伝のラップタイム 1km何分というのが良い例えかもしれません。
また、全豪オープンを戦っている錦織選手のサーブが〇〇キロ!というのも速さですよね。
オリンピックに出る一流の男子マラソンランナーは、2時間ちょっとでゴールします。
40kmを2時間で走るとすると、1kmあたりのタイムは何分になるでしょうか?
40km : 2時間 ?→ ?40km : 120分
(1時間は60分、2時間なら120分 これも比例)
→ 1km : 3分
(道のりが1/40なら、時間も1/40)
ということで、ラップタイムは、1キロ3分ですね。
また、錦織選手のサーブは、最速で時速200kmほどですが、テニスコートの端まで何秒で届くのでしょうか?
テニスコートの縦の長さを24mとして、届く時間 s 秒を考えてみましょう。
時速200km = 200kmの道のりを1時間で移動する速さ
200km : 1時間 → 200,000m : 60分
(1kmは1000m 1時間は60分)
→ 200,000m : 3,600秒
(60分は、60×60=3600秒)
200,000m : 3,600秒 = 24m : s秒
(200,000mを3,600秒ということは、24mを何秒だろう?って感じです)
200,000 × s = 3,600 × 24
s = 3,600 × 24 / 200,000
s =?0.432 秒
時速200kmのサーブは、テニスコートの端から端まで24mを約0.4秒で移動します。
※実際のテニスでは、時速200kmで飛び続けるわけではありませんし、ライナーではなく、斜めに打ち下ろすので、到達時間はもう少し長くなるでしょう。
それでは、大谷選手が時速160kmで投げた野球ボールが、ピッチャーの手元から17m先のホームベースまで届くのには何秒かかるでしょうか?
次回はやっと中学理科の話です。
さて、ここまで二つの記事に渡って、「分数と小数の計算」「比例式と単位」という準備の話をしてきましたが、理解していただけましたでしょうか?
長かったですね(汗)
いよいよ次回この二つを使いながら、中学理科の計算問題のやさしい解き方を解説していきたいと思います。
続きはコチラ
実際の高校入試過去問を解いてみます
→ 理科の計算問題の解き方を家庭教師が解説③