中学校の数学には、
・数と式
・図形
・関数
・資料の活用
の4分野がありますよね。
中学生の家庭教師をしていると、図形と関数はほとんどの中学生が苦しみます。。。
今回は、図形にスポットを当てて、苦手になる原因やその克服方法についてまとめていきます。
数学が苦手という中学生はもちろん、少しずつ算数が難しくなってきたという小学生にも知ってほしい内容です!
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中学校で習う図形の単元は、
1年生では、平面図形(直線と角・移動・作図・おうぎ形など)と、空間図形(位置関係・展開図・表面積・体積・球など)
2年生では、合同(合同・証明など)と、三角形と四角形(二等辺三角形・直角三角形・平行四辺形など)
3年生では、相似(相似・証明・平行線と線分比・面積比・体積比など)と、三平方の定理(三平方の定理・平面,空間図形への利用)
これらを習います。
また、新潟県の公立高校入試では、関数のグラフや動点と面積の問題、空間図形と証明の複合問題がよく出題されますね。
つまり、苦手だからと言って避けては通れません!
図形の応用問題を解くためには、「センスやひらめきが必要」という意見もあります。
実際にはどうなんでしょう?
確かに、「こんなところに補助線を引くなんて思いつかないよ!」とか「ここが平行になるなんてとても気づかない!」という難問もあります。
しかし、トップクラスの学校を受験する場合を除けば、志望校に合格するために必要なセンスやひらめきは、
基本問題 + その組み合わせ + それらのくり返し によって身につきます。
問題を解くための発想は、持って生まれた才能ではなく、たくさんの問題に触れているうちに自然と出てくるものですよ。
図形が苦手という小,中学生の多くは、センスやひらめきではなく、他の問題点を抱えていることが多いです。
ですから、まずそれらを解決していくことが大切です!
それでは、図形が苦手な小中学生の具体的な問題点を3つ挙げてみたいと思います。
1.正確に問題文が読み取れない
2.用語や図形の定義・定理があいまい
3.空間・平面のイメージができない
どうですか?
思い当たる点はありますか?
これらの問題が解決できれば、図形苦手の9割は克服できます!
残りの1割は、上で挙げたように、たくさんの問題に触れることによって解消されますよ♪
これについては、図形分野だけでなく、全ての教科に関わります。
国語の問題と言えるかもしれません。
計算はできるけど、文章題ができないというのと似ています。
つまり、図形がどうとか、知識がどうとか、発想がどうとかの以前に、問題文に書いてある情報や状況が、素早く正しく読み取れないのです。
小学校のうちは、テストに描かれた図形を見て角度や面積を求める問題が多いので、あまり気になりませんが、高校入試の問題ともなると、描かれた図形だけでは不十分です。
問題文章からも情報を読み取らなければなりません。
これを解決するためには、やはり漢字の読み書きや教科書の音読といった基本的な国語力を高めて、読解力をつけていくしかありません。
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読解力を養う方法について
→ 国語力や読解力をつけるための勉強法
上の国語力にも関わりますが、特に数学は論理(筋道を立て、整然と考えること)をとても大切にします。
ですから、用語の正確な意味(=定義)や、そこから生まれる性質やきまりをあいまいにせず、しっかりと理解し説明できる必要があります。
例えば、「平行」という言葉を考えみましょう。
平行とはどういう意味なのか(平行の定義)、そこから生まれる錯角や同位角の意味と性質。
平行四辺形とはどういった図形で、どのような性質があるのか。
また、特別な平行四辺形である正方形や長方形、ひし形。
図形が苦手なお子さまに、「平行ってどういう意味?」とたずねてみると、「まっすぐ」とか「こういう線(身ぶり手ぶり)」という答えが返ってきます。
定義や性質を理解し、正確に相手に説明できるようになれば、きっと図形が得意になるでしょう。
中学2年生で習う「合同の証明」は、まさにここで得意苦手が分かれます。
定義や性質があいまいで、正しく説明できないお子さまは証明問題に手が出ません。。。
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平行線の定義・定理はこちらを参考に
→ 中学校数学2年生-図形/平行と合同
立体や空間図形の場合も、まずは2の用語や定義を正しく覚えることが重要です。
円柱・角すい・正多面体などが、どのような空間図形なのか、どういう性質があるのか、体積や表面積をどのように求めるのかなどを知っていることが第一。
しかし、知識は十分でも、空間図形が苦手になってしまうお子さまがいらっしゃいます。
空間認識能力の弱さが原因です。
問題集やテストは、紙の上に印刷されている平面です。
見取り図も立体っぽく描いているだけで、実際は平面ですよね。
?画像参考:https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/sansu/WebHelp/04/page4_27.html
問題を解くためには、見えない位置の辺や頂点、切り取ったときの切り口、切り開いたときの展開図などを頭の中でイメージする必要があります。
空間認識能力は、空間の中での自分とモノの関係(位置・間隔・向き・方向・大きさ・かたち)をたくさん認知することで高まるそうです。
つまり、子どもの頃に公園・海・山など自然の中で体を動かして遊んだ時間が長いほど良いわけです。
昔のお子さまは、遊びの中で自然と身につけていったのでしょうが、現代のお子さまは代わりになるトレーニングが必要ですね。
幼児教育として、ねんど遊びや砂遊び、ブロックが推奨されるのも、空間認識・認知能力の発達が目的です。
地図を見ながら目的地に向かう、ボールを狙ったところに投げるなども効果があります。
以上、図形が苦手になってしまうお子さまの問題点を挙げてみました。
学校の授業で習うことだけでなく、国語の力や子どもの頃の遊びまで関係していることを知っていただければ幸いです。
ホームティーチャーズの家庭教師では、単に知識や解答を教えるだけではなく、一人ひとりのお子さまの状況を把握し、様々な角度からの学習指導が可能です。
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