平成27年度の全国学力学習状況調査(全国学力テスト)の調査結果を基に、
小学生中学生のテレビゲームやスマホ利用と学力の関係についての記事です。
1980年代ファミコンが爆発的に広まった頃から、
「ゲームは1日1時間(まで)」という標語がありましたね。
それ以前には、「テレビは1日1時間」というのもあったようですが、
テレビ漬けと学力低下の関係があいまいであったため、あまり強くは推奨されていませんでした。
したがって、今の中学生の保護者世代は、長時間のテレビやゲームにあまり抵抗がないようです。
しかし、「テレビを1日2時間以上見る子に高学力の子はいない」
陰山英男先生も著書の中ではっきりおっしゃっています。
現在、テレビ、ゲームからスマホへと子どもが熱中するものは変わりました。
スマホの利用時間と学力にはどれほど関係があるのでしょうか?
まずは、ゲームと学力の関係を見てみましょう。
例えば、平日のテレビゲーム利用時間(スマホのゲームも含む)と、
中学生国語B(応用問題)の正答率の関係です。
テレビゲームプレイ時間と
中学生国語B(応用問題)の正答率の関係
TVゲーム 利用時間 |
中学国語B 正答率 |
---|---|
4時間以上 | 56.8% |
3-4時間 | 60.8% |
2-3時間 | 63.6% |
1-2時間 | 66.7% |
1時間未満 | 70.2% |
しない | 71.4% |
見事な相関関係です。
小学生の調査や、国語Aや数学を見ても同様です。
もちろんゲームによって学力が下がるわけではありません。
しかし、1日3時間以上ゲームに費やせば、
勉強時間や睡眠時間が削られるわけですから学力低下は当然ですよね。
1時間未満と1-2時間とで、ここまで差がつくのはなぜでしょう。
1日1時間というルールがきちんと守られているご家庭では、
毎日の家庭学習も習慣化できているのかもしれません。
いずれにしても、「ゲームは1日1時間」は、お子さまの学力のために守るべきルールと言えそうです。
それでは、スマホはどうでしょうか?
平日に携帯電話でネットや通話、メールをする時間と、
中学生の数学A(基本問題)の関係を見てみましょう。
スマートフォン利用時間と
中学生数学A(基本問題)の正答率の関係
スマートフォン 利用時間 |
中学数学A 正答率 |
---|---|
4時間以上 | 52.8% |
3-4時間 | 58.0% |
2-3時間 | 61.9% |
1-2時間 | 65.7% |
30分-1時間 | 68.2% |
30分未満 | 70.1% |
持っていない | 68.8% |
こちらも相関関係があります。
前回の調査と同様で、持っていないが30分未満より下がる結果でした。
これは、スマホや携帯を持っていても、長時間使わないという節度(またはご家庭のルール)を
守っている中学生は、学習に対しても前向きであるという表れかと思います。
ゲーム同様、スマホも1日1時間までとした方が良さそうです。
ただし、LINEやSNSの場合、継続して利用というわけではありませんので、
利用時間の数え方は難しいかもしれません。
直接スマホを触っていなくても、LINEの通知を気にしていては勉強に集中できませんよね?
ゲームもスマホも、お子さまにとって刺激が強く依存しやすいものです。
しっかりとご家庭内でルールを決め、正しく安全に利用できるようにしていただきたいと思います。