過去の記事で、アウトプット < インプット に偏ると学習が定着しないということをお伝えしました。
そもそも小学生の頃はアウトプットの作業はあまり必要なかったという人が多いでしょう。
小学校の学習は中学・高校と比べて量が少ないということも関係しますが、それだけではありません。
では、なぜ中学生や高校生になるとアウトプットが必要になるのでしょう?
それは、脳の記憶の種類が年齢とともに変化していくことに関係しています。
つまり、学年とともに学習スタイルを変えないと、同じように記憶が出来ず、
成績を維持することが難しくなるんです!
人間の記憶には、経験としての記憶や知識としての記憶など種類があります。
経験としての記憶というのは、例えば「みんなでカラオケに行ったこと」とか、
「友だちに言われて傷ついた」など、実際に自分が経験したことに関する記憶です。
思い出と言えばわかりやすいでしょうか。
このような経験記憶の量は、小学生よりも中学生・高校生の年齢の方が発達します。
小学校低学年以前で、覚えている出来事が少ないのはこのためです。
一方で知識としての記憶とは、人の名前や数学の公式など知識や情報の類です。
文字列のような言葉の丸暗記は、小学生の年齢が最も発達します。
小学生のお子さまは、ポケモンの名前など大人が覚えにくいものでも簡単に記憶してしまいますよね。
小学校2年生で九九を丸暗記するのもこういった理由です。
つまり、脳は年齢とともに知識記憶から経験記憶に覚えられるものが変わっていきます。
小学生の頃は楽にできた丸暗記が、中学生くらいから少しずつできなくなるのです!
したがって、少しずつ勉強の仕方やスタイルを変える必要がありますね。
高校生になると「脳が老化しておぼえられない・・・」という人がいますが、
覚えられないのではなく記憶の種類が変わったということですよ。
だからこそ、中学生以上は復習やアウトプットの作業が大事になります。
知識記憶ではなく、経験記憶として覚えるためです。
目だけでなく耳や手を使ってくり返し練習することで脳を刺激し、
思い出のような経験記憶として覚えられるということです。
音読や間違いノートの作成は、このような効果があるので
中学生や高校生の学習として有効なんですね。