「シュタイナー教育」というものをご存知でしょうか?
オーストリアのルドルフシュタイナーという方が提唱した教育に関する理論です。
教育理論としては賛否両論ありますが、その中に4つの気質という考え方があります。
人間の状態は生まれつきの個性と親からの遺伝などによって4タイプに分けられ、それぞれの気質によって接し方が変えるべきという考え方です。
血液型による性格判断に近いですかね?
ただし、ある人は一生この気質というわけではなく、時々によって気質が変化していきます。
シュタイナー教育自体はやや奇抜ですので、取り入れる取り入れないはご家庭の判断によりますが、
この気質による接し方というのは、子育てや教育の上で参考になるかと思います。
私たち家庭教師もお子さまを指導していく上で、一辺倒の接し方というわけにはいきません。
このような概念は大変参考になります。
4つの気質は、胆汁質・憂鬱質・粘液質・多血質と分類します。
(このネーミングも奇抜なんですよね。どうしてこうなるのか気になる方は調べてみて下さい。)
以下が4つの気質と接し方です。
■胆汁質
・自己主張がはっきりしている
・意志が強い
・決断力・行動力がある
・意思が通らないと癇癪を起し、激しく反応する
・些細なことで周囲と衝突を起こす
・自分の能力が認められると、行動力集中力を発揮する
・土を踏みつけるようにしっかり歩く
地水火風の4つのエレメントでいうと、火の要素、色でいうと赤
<接し方>
子どものやっていることに注目し、関心を示すこと。
少しハードルの高い課題を与える。簡単な課題を与えると自信過剰になってしまう。その子どもが尊敬する大人がいることが必要で、それで自制が働く。エネルギーを発散させるはけ口が必要
■憂鬱質
・物事を暗く悲観的に考える癖がある
・非社交的で孤独
・敏感で傷つきやすい
・自分に対してすごく関心がある
・懐疑的な態度
・歩き方は重たく、引きずるような感じ
地水火風の4つのエレメントでいうと、土の要素、色は紺や紫
<接し方>大人が辛い体験を話すと、共感を感じる。悲劇を経験した人を愛するこのタイプは、そういう出会いがないと孤独感を持ってしまう。
■粘液質
・休むこと、食べること、眠ることが大好き
・人から注目されたくない、放っておいてほしいと思っている
・おっとりしている
・支持はきちんと受け、正確にこなすが、時間はかかる
・一度やる気を起こすと、持続し、長続きする
・ゆったりした確実な歩き方をする
地水火風では水。色は緑。
<接し方>
大人が興味をもっていろいろなことに気づくのが大切。しかし、気づいたことを子どもに教えることは、子どもには迷惑な行為になる。子どもは親の反応に刺激をうけ、自分から関心を持つようになる。
■多血質
・いろいろなことに関心を持ち、一つのことにじっくり取り組むことができない
・楽天的で、物事を肯定的にとらえる
・活気に満ち、陽気
・環境と自分の関係が大事だから、人当たりもよく、やさしい
・刺激されやすく、快不快、喜びや悲しみに対して敏感
・新しいものに関心を持つが、長い間集中できない
・足取りは、飛び跳ねているような軽やかな感じ
地水火風でいうと風。色は黄色。
<接し方>
せかせかしているので、遊ぶ時に、大人が、その子どもより、少しゆっくりめに導いてあげる。一方、それに相反する方法もある。その子ども以上にせかせかし、子ども自身に気付かせる方法。
考え方として面白いのは、「あの子はこの気質の子だから、こう接すれば良い」というわけではなく、 時々によって気質が変わるということです。
外からの影響でも、自分自身の考えでも、年齢によっても流動的であるそうです。
まずは、お子さまが今どのような気質であるかを確実にとらえて、それにふさわしい接し方をしてあげることが教育や学習にも役に立つと考えています。